長崎大学名誉教授・長崎市民病院理事長 兼松 隆之先生
長崎大学大学院 心臓血管外科 久冨 一輝先生
京都大学 肝胆膵・移植外科学 准教授 海道 利実先生
九州医療センター 肝胆膵外科部長 髙見 裕子先生
長崎大学大学院 腫瘍外科 土肥 良一郎先生
順天堂大学 心臓血管外科 教授 天野 篤先生
私は、2005年に佐賀大学医学部を卒業し、長崎医療センターで初期臨床研修を受けた。 2008年に長崎大学病院心臓血管外科に入局後、大分県立病院心臓血管外科を経て、現在は長崎大学病院の心臓血管外科にいる。心臓血管外科のイメージは「かっこいい」「優しい」「冷静」など良いイメージがある一方で、「忙しそう」「きつそう」「なかなか手術をさせてもらえなさそう」「一人前になるのに時間がかかりそう」というものもある。私もかつては、「自分は心臓血管外科に向いているか?」「ハードワークについていけるのか?」「一人前の術者になれるのか?」と不安を抱えた時期はあった。それでも、後悔せずに好きなことを仕事にしたいという思いから、不安を抱えたまま心臓血管外科に飛び込んだ。
実際は予想と大きくは違わなかった。忙しいし、土日に急患があれば呼ばれるし、体力的にきついこともある。 ただ、想像以上に手術は楽しく、手術を終えたときの達成感は大きかった。心臓手術に携わる医療スタッフは、心臓血管外科医や麻酔科医だけでなく、循環器内科医や看護師、人工心肺を扱う臨床工学技士、リハビリを担当する理学療法士、薬剤師など多岐にわたる。関係者が多い分、そのチームワークと一体感は強い。心臓血管外科の領域 は、術前の状態が悪いまま行う緊急手術も多く、リスクも高い。だが、手術が成功すると劇的に体力が回復し、元の生活に戻る速度も早い。退院時に患者から「ありがとうございました」と言われると、手術の苦労も忘れて「また次も頑張ろう」というパワーにつながっていく。
私の将来の夢は「一流の心臓血管外科医になること」だ。当たり前のことを当たり前にこなし、難局に出くわしても当然のようにこなせるようになりたい。まだまだ夢は遠いが、今の自分にできること、頑張ればできそうなことを、小さな努力を積み重ねるしかないと思っている。 生まれながらの手術の天才などおらず、華やかな成功の裏にあるのは、地味で地道な努力の積み重ねだ。皆さんが外科医としての才能があるかどうかは分からないが、「外科医になりたい」という思いがあれば、それだけで外科医としての素質があると思う。 健康な体と「患者を救いたい」という思い、そして地道な努力を積み重ねる強い気持ちがあれば、きっと一流の心臓血管外科医になれるはずだ。
【学歴】 | |
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1999年 | 長崎県私立青雲高等学校卒業 | 1999年 | 佐賀医科大学医学部医学科入学 | 2005年 | 佐賀大学医学部医学科卒業 |
【職歴】 | |
2005年 | 長崎県私立青雲高等学校卒長崎医療センター 初期臨床研修医 | 2007年 | 長崎医療センター 外科レジデント | 2008年 | 長崎大学病院 心臓血管外科医員 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科入学 | 2010年 | 大分県立病院 心臓血管外科主任医師 | 2012年 | 学位取得 | 2013年 4月 | 長崎大学病院 心臓血管外科 医員 | 2013年 9月 | 長崎大学病院 心臓血管外科 助教 |